【本】ぼくは落ち着きがない

 2008-08-23
長嶋有 著 (光文社)
★★★☆☆

昨今の青春小説なるものをほとんど読んだことは無いけれど、流行の携帯小説の書評を見たりすると、暗かったり重かったり深かったり、という印象が強い…というイメージがあって、ここまで何も起こらない青春小説って、その辺はどうなん?というのが率直な感想。

強烈に感じる既視感は要するに、
 わかつきめぐみの「月は東に日は西に」 とか
 ゆうきまさみの「究極超人あ〜る」 とか
と同じ感覚の部室モノなんだなぁと得心がいってみたりする。

美術部と張り合いつつ「予算が貰えないけど他部のサポートをアルバイトとして活動する」楽描倶楽部と、
写真部と張り合いつつ「なぜか校長や用務員さんすらOBな個性強すぎメンバーの」光画部と、
文芸部と張り合いつつ「図書委員の仕事をやりたがらない普通の委員に業を煮やして作られた」図書部
にはあまりに共通点が多くて、携帯だの裏サイトだの、今時風なアイテムが顔を出しつつも、やってることは80年代中期とほとんど同じだったりする。
作者が大江健三郎賞を授賞してたりするところをみると、年寄りにはもう着いていけない…と思える“今時”の若者たちも、実はそんなに変わってないのかなぁ…とか思ってしまったりするのだった。

大人になってもう随分になるけれど、読んでいてすごくあの頃を思いだしてしまった。
格別な事件が起こるでもなく、ただ淡々と過ごす毎日が、それでも楽しかった日々。
部活なんかあってもなくても関係なく毎日溜まっていた日々。
懐かしくてちょっぴり安堵する、そんな小説でした。

カテゴリ :読書 トラックバック(-) コメント(-)
≪ トップページへこのページの先頭へ  ≫