【映】チャーリーとチョコレート工場(字幕)
2005-09-19
ティム・バートン監督★★★★☆
幼い頃夢中になった(過去形)物語というものは、えてして
駄菓子屋のお菓子とか木の空洞の秘密基地みたいに
大人になって改めて味わってみると思っていた程には
凄く感動的なものじゃなくなっていたりして、
映像化されてしまうと、あの時感じてた迫力とか不思議さとか
異様な雰囲気とかがどうにも再現なんかできてなくて、
物足りなさでいっぱいなもんなんだけど、
これはねぇ、違いましたよ。
あの頃大好きで、何度も図書館で借りてきては読んだ、
ぶっ飛んだ興奮と目眩がするほどの異様さとむせるような甘い香りが、
全部あのままなんですよ。
【本】写楽・考
2005-09-11
「写楽・考 蓮丈那智フィールドファイルIII」北森鴻 著 (新潮社)
★★★★☆
美貌で異端の民族学者、蓮丈那智のシリーズ第三巻。
収録は
・憑代忌(よりしろき)
・湖底祀(みなそこのまつり)
・棄神祭(きじんさい)
・写楽・考(しゃらく・こう)
の4つ。
閉鎖的保守的で古い体質の大学と学会の中を、
「誰にも頼らず、媚びず、一人凛として」立ちつつ
自由に闊歩する蓮丈那智。
そんな彼女のお影で、研究室の内藤三國は今回も苦悩し、
またも心ならずの事件に巻込まれて行く。
「憑代忌」で内藤は、キャンパスの曰付きの場所で写真を撮られる。
「湖底祀」では、那智不在の研究室で十五時間寝こける。
「棄神祭」では歯を折られる。
そして表題作「写楽・考」で、
とうとうあの、狐目の教務部主任の正体が明かされる!
「写楽・考」はふた捻り三捻りもして、やっと本題に辿りつく。
ラストまで来て唖然…という感じである。
小説新潮掲載時から表題を変えたようだが、
こちらのタイトルの方が遥かに意表を突かれる。
相変わらず民俗学にも美術にも骨董にも全く無知でも、
意味の判らないところが多々あろうとも、
一気に読める魅力は変わらない。
一度は、那智自らの声で囁かれる「ミクニ」という言葉を聞いてみたいものだ。
自分の名を呼ばれるのは勘弁だが…。
